東温市医師会

小児の発熱

 子どもは発熱することがよくあります。特に夜間や休日に高熱になると病院もお休みで不安になることが多いと思います。今回は子どもさんが急に発熱したときにどう対応したらいいのかをお話しします。

 発熱の原因もさまざまですが、発熱に伴ってひきつけたり、意識がはっきりしない場合、嘔吐が頻回にあって水分もとれない場合、生後6ヶ月未満の乳児が発症する場合は重症の感染症が原因である可能性がありますので早急に病院に受診する方がいいです。それ以外の場合はまず家庭で次の処置で様子を見てから翌朝に受診してもらってもかまいません。

 熱が上がり始めに寒がってふるえる状態であれば毛布などで体をくるんで温めてください。熱が上がりきると暑がりますから薄着にして体を冷やしてください。

 冷やすための具体的方法としては、アイスノンをタオルで巻いて両方の脇の下にあてておくのが一番確実です。氷枕や氷嚢を頭にあてるのもいい方法です。子どもさんがいやがるなら無理に冷やす必要はありません。最近よく用いられるようになった、ひたいにはる吸熱シートは頭がすっきりするという効果がありますが、体温を下げる効果は不十分です。子どもさんが気持ちよくなるなら使ってあげても問題ありませんが、熱があまり下がるわけではありませんので、使っても熱が高いままのことはよくあります。

 解熱剤の使用については、水分をとれて睡眠がとれる状態であれば解熱剤を使う必要はありません。どうしても熱が高いために水分をとれず、ぐずって眠れなければ一時的に解熱剤を使ってもかまいません。病気の原因によっては解熱剤を使っても熱が下がらないもありますので、できるだけ体を冷やすことでみる方がいいでしょう。解熱剤の投与間隔は8時間くらいはあけてください。高熱があるとひきつけたり脳への影響はないかと心配されて解熱剤を使われる方がおられますが、解熱剤を使って一度熱が下がっても再び熱が上がるときにひきつけることがありますのでひきつけを防止するために解熱剤の効果はありません。

( 石川 純一  )