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スギ花粉症対策〜薬の服薬はお早めに〜

 春が待たれる頃ですが、スギの花粉症の方には憂鬱な時期の到来でもあります。しょうがないと諦めてしまう前に、少しでも快適に過ごせるように参考にして下さい。

 2月中旬のポカポカ陽気が続いたある日、くしゃみが連発し、とめどもなく鼻水が流れ出し、鼻詰まりで仕事や勉強に集中できない。夜は眠れない。目にはかゆみがあって涙が出る。スギ花粉症を疑って下さい。一度かかると毎年発症するので諦め顔の患者さん、初めて発症して驚いて駆け込んでくる患者さんといろいろです。

 花粉症とは、花粉が原因のアレルギーで2〜3月のスギはあまりにも有名ですが、ヒノキ、イネ科、キク科など、植生により地域で特徴ある多種の花粉が原因となります。スギ花粉症の患者さんは年々増加していて、国民の4〜5人に1人くらいいるのではないかといわれています。空気の汚染や植林で花粉の量が増えたことが原因と考えられています。

 花粉症では薬による治療が中心となります。最近の抗アレルギー剤はよく効くようになり、眠気などの副作用も少なくなっています。花粉の本格的飛散が始まる2週間くらい前(1月末か2月初め)から服用をはじめ、鼻の粘膜の過敏性を抑えておくことが大切です。症状が出てから慌てて用いても効きが悪いようです。症状の強い日には、抗ヒスタミン剤やステロイドの点鼻薬(鼻に噴霧する薬)は即効性があります。

 外出時には花粉症用のマスクを用いてください。帰宅時のうがい、鼻洗い(温めの薄い食塩水を用います)には効果があるから試してみて下さい。唯一の根本治療とされる減感作療法は症状の無い時期に注射に通院しなければならないので、あまり行われなくなりました。

 最近よく行われるようになったレーザー治療は根本的な治療法と期待している方がいらっしゃいますが、対症療法と考えたほうが良く、その適応は十分に耳鼻科医と相談してから受けられることをお勧めします。

 今年のスギ花粉の飛散量は例年より多いと予想されています。早めに薬の服用を始めて下さい。

( 八木 拓 )