子供と大人の狭間で「小児科には何歳まで受診できるのですか?」ときどき親御さんから尋ねられますが、「十五歳未満の人を小児科受診に年齢制限という特別な決まりはないんですよ。」と私はお答えすることにしています。 愛すべき土地に小児科医院を開業して八年目を迎えようとする今、開院当初は小学生だった子供たちも立派な中・高校生になりました。いや大学生や社会人になっている人もいることでしょうが、さすがに彼らが受診されることはまずありません。でも、高校生が受診されることはそれ程、珍しいことではなくなりなした。 思春期の子供にみられる体の変化は本当に劇的で、それに伴って心も変貌して行くのは当たり前と自然に納得できます。そのような目まぐるしい変化の時に、心身両面から小児科医としてサポートできれば・・・という思いが、私の中で徐々に強くなってきたのは右記のような理由に他なりません。 ところが困ったことに、特別な時期である割には、思春期の人たちを総合的に診療できる準備が日本ではまだまだ整っていないというのが現状です。もちろん精神科医や産婦人科医などの中には、専門的な立場から積極的に彼らをサポートしている人たちもおられます。また、欧米では、思春期の人を総合的に診療できる体制を早くから整えてきました。 そのような先例を参考にして、この度、愛媛県小児科医会では愛媛県の委託を受けて委員会を作り、五部からなるパンフレットを作成しました。先日、愛媛新聞にも報道されましたが、具体的な内容は次の通りです。どれも中学生ないし高校生に語りかけるような雰囲気で書かれたものです。関心がある方は、かかりつけ医にお問いあわせの上、ご一読下さい。 NO.1大人になることとセックス ( 井上 哲志
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