東温市医師会

高血圧

 我が国では高血圧の人が3,000万人以上(成人の40%)といわれています。

 高血圧には、何の自覚もないままに血管が傷ついて破れたり、詰まったりして、命に関わる重大な病気(脳卒中や心筋梗塞、心不全など)を引き起こす恐怖があります。そこで、高血圧には、血圧が上がりやすい遺伝的な体質と食事や運動等の生活習慣が関係していますので、高血圧の治療として血圧を下げるだけでなく、生活習慣を改善して血圧に関係する項目を修正し、脳や心臓、腎臓などの合併症を防ぐことが大切になってきます。生活習慣病を改善するには、以下のことに注意してください。

(1) 食生活の改善
  (ア) 食事制限
1日7g(調味料として1日4g)
  (イ) 食べ過ぎに注意
標準体重(身長(m)×身長(m)×22)の20%以上とならないこと
  (ウ) アルコールの飲みすぎに注意
1日の日本酒: 男性1合 女性0.5合
1日のビール: 男性1本 女性0.5本
(2) 運動対策
  会話しながら実行できる程度(運動中の1分の脈拍数が110拍前後)の運動で1日30〜45分、週に3日以上
(3) 禁煙 
  節煙ではありません。

 また、自分で毎日血圧を測定することによって、常に血圧を正常範囲内(最高血圧140mmHg以下、最低血圧90mmHg以下)にしておくことが大切です。また脈拍も記録してください。なお、市販の自動血圧計のうち上腕用だけをお奨めします。

 さて、薬を服用している人は、指示された時間に指示された用量を忘れないで、ずっと続けて服用することが大切です。勝手に薬の量を減らしたり、薬を中止したりすることのないようにお願いします。

( 辻井 武弘 )