運動と老化パワーリハビリテーションという言葉が最近聞かれます。ぱっと聞くと、スポーツ選手のパワーアップとリハビリと取られると思います。が、実は介護保険の対象となる高齢者に対して行い、うまくいけば介護度を軽くすることができるのではないか、という発想から生まれたリハビリです。日本医科大学附属第2病院リハビリステーションセンター教授である竹内孝仁先生が提唱された概念であります。 老化は様々な要素によって起こるもので、これは生きるものは避けることの出来ないものであります。しかしそのスピードを遅らせることは可能です。最近米国で行われた縦断的リサーチによると、30歳以上の定期的に運動を行っている人の生理機能(最大酸素摂取量)の低下は年間約0.5%であるのに対し、運動不足の人の場合、その低下率は年間約2%にもなるといいます。つまり、ある程度活動的な生活をしていた人が、年をとるにつれて、楽で便利な方向へと流されて、また仕事に追われて、その活動性を低下させてしまいがちになります。老化現象のうち、確かに避けることのできない生理機能の低下はあるけれど、その多くは活動の低下に起因するものと考えられています。 要は、日頃健康維持のために、運動を行い、続けることでしょう。しかも、いろいろな動作が含まれている運動がいいと思います。それは個人個人のレベルで違います。 私の例でいえば、何年か前までゴルフしかしていなかったのですが、ちょっとしたきっかけで(そのころ入会金がサービスされていたのでそれにつられてしまいました)あるスポーツクラブに入会しました。で、走ったわけです。ベルトの上を。するとこむらがえりえを起してしまいました。一応普段使っていないと、(その使い方も問題です。つまり歩く筋肉と、走る筋肉の違い)ダメだということを痛感した次第です。しかしその後続けてみると、どんどん走れるようになり、体重もどんどん絞れて学生時代の体重に戻っています。その代わり、急に体重が減ってしまい、回りの方(患者さんにも)には、悪い病気にかかったのではないかと心配されてしまいましたが。 高齢者の方で、よく「もう年だから・・・」と言われる方がおられますが、やはり諦めると、そこから悪くなるしかありません。前途のように老化が早くなってしまいます。しかし運動(リハビリ)を行うことによって、その体力・機能を維持でき、さらに伸ばすことも可能であります。また歩けるからあえて運動(リハビリ)は必要はないと、言われる方も多いと思いますが、さらに運動をすることによって老化を防ぎ、体力・機能を高めることができると思われます。スポーツ医学的には、運動を高めることができると思われます。スポーツ医学的には、運動をすることによって、インシュリンなどの感受性も高まると言われています。 さあ、レッツ!運動!
( 西本 章 ) |