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2005年のスギ花粉症

 今年(2004年)の夏は記録的な猛暑になりました。毎年2月頃に発症する花粉症の原因となるスギの花粉の飛散量は前年の夏の天候に関係します。前年が冷夏であれば花粉を作る雄花があまり形成されず花粉の飛散は少なくなります。逆に夏が暑ければ雄花が大きく形成され、翌年の1月頃から4月頃にかれて大量の花粉を飛散させるのです。2003年は冷夏のため今年(2004年)のスギ花粉はシーズンを通して約900個程度の飛散数で、例年の半分以下でした。逆に今年の夏はここ十年来の猛暑でした。これと同じような気象条件が1994年と1995年の花粉シーズンに当てはまります。

 1994年の前年は冷夏で、スギ花粉数は約200個と極めて少なく、逆にその年の夏は猛暑で翌年の1995年は1万個を越える大量飛散となり、多くの患者さんが花粉症で苦しみました。グラフに示すように2003年は冷夏で2004年は猛暑で、これは1993年と1994年の気象によく似ています。このデーターより来年(2005年)の花粉シーズンは例年の約2倍、今年の数倍の飛散が予想されています。花粉が大量に飛散すれば、これまで軽い症状だった方にも強い症状がでる可能性があります。これからの花粉情報に注目し、例年花粉症に悩まされている方は早めの対策が必要です.毎年花粉症が発症する人は花粉の飛散が始まる前より内服治療を開始するとシーズンを通して軽い症状で過ごすことも可能です。本格的な花粉の飛散は2月から始まります。それまでに対策を立てておきましょう。

( 佐藤 英光 )