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更年期外来から

 現代女性の平均閉経年齢は51才といわれており、多くの女性が45才から55才の間に月経がとまって閉経をむかえます。閉経とともに、卵巣からでていた女性ホルモンであるエストロゲンが急激に下がり、初めて月経をむかえたころから女性のからだのバランスを月経周期にあわせて整えてきたホルモンがなくなり、今までとはちがったバランスへと移行しています。この時期を更年期といいます。そのとき、全く何の問題もなく移行できる女性もいるのですが、その一方で非常に深刻な問題をかかえてしまう女性もいて、どんなにしても頭ががブロックされたように感じたり、いつも暑くて暑くて汗がぽたぽたしたたるくらい顔がほてったり、逆に手足が冷えて冷えてたまらなかったり、一つの症状の方もおられれば、いろんな症状が全部でる方もおられて、それらはまた日によって、時間によって、症状も程度もさまざまです。中にはその上に、いろんなことがかさなり、たえがたいこととなる方もおられます。そうなってしまった、あるいはそうなりそうな女性には欠落した女性ホルモンを薬剤として使用するホルモン補充療法(HRT)という治療法があります。

 このHRTは女性の更年期症状にはもっとも効果的な治療法といえますが、そのリスク(乳ガン1.38倍あるいは脳・心血管疾患1.2〜1.3倍など)が大きくとられられ、長く続ける価値はなくなっています。それを受け治療ももちろんできるだけ少なく短くが望まれ、それにそって治療も進められています。しかし、それらHRTのリスクはまた、ダイエット、禁酒、禁煙、週2回以上の運動習慣をつけるなどでカバーできることも知っておくべきで、過剰な心配で治療をうけないでかなりしんどい状態までになられる方のないようにと考えます。少し女性ホルモンを補充すればずいぶん楽にすごせるケースや、ホルモンだけでなく他の方法でしんどい時期を乗り切る方法もありますので、大変なときは相談に来て下さい。女性の平均寿命は85才をこえ、更年期をこえてつくるバランスがとても大切になってきています。そのためには更年期そのものもうまく形作って、より心も体も健康な生活をおくるために、ひとりひとりが自分に一番あった方法をみつけていく時代がきているといえるでしょう。更年期外来では、更年期にすべてが悪くなってしまうことがないようにをモットーに・・・

  Feminine forever-永遠に女性-を大切に考えて診療しています。

( 渡部 和子 )