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無痛分娩について

 近年、少子化傾向がみられ一人の女性が妊娠・出産を経験する回数が減少しております。そのため、1回の出産をどのように経験するかという事がより重要視されるようになってきました。とくに分娩時の痛みにいかに対処するかという事がしばしば話題になっております。

 日本では、分娩時痛みや苦しみがなければ、母性が損なわれ、良いお母さんになれないという考えが古くから何の疑問もなく受け入れられてきました。しかし、欧米では合理的な思想に基づきより苦痛のない分娩を希望される女性が多数を占めています。

▼硬膜外無痛分娩のメリット

 無痛分娩の利点は、

  • 1.産道の緊張をとるので、赤ちゃんが産道を楽に通ることができる
  • 2.お産の時間が短くなる
  • 3.痛みによる筋緊張が軽減され、子宮の筋肉は充分柔らかくなり、赤ちゃんに十分な酸素が供給される
  • 4.痛みによる血圧の上昇を防ぎ、妊娠高血圧合併症候群の人や高血圧の方には最適
  • 5.産後の出血を減少させる

 分娩に対する不安感や恐怖感、陣痛に伴う痛みといったストレスがかえって分娩の進行を遅らせたり、場合によってはパニック状態となって母体と赤ちゃんに悪影響を及ぼすこともあります。従って、分娩時の痛みを適切な方法で除去することは、安全な分娩を行うための一つの方法とも考えられます。

 今後お産の痛みを和らげて欲しいという女性の要求が増加してくると思われますが、より安全で安心できる方法として考慮されるものと思われます。

( 西 睦正 )