学校健診と耳鼻咽喉科4月末から6月初めにかけて幼稚園・小中学校では各科の健診が行われます。東温市では26年前から耳鼻科の健診が行われています。よく付けられる病名についてお話しします。 当初、滲出性中耳炎の児童が多く診られましたが、最近ではずっと少なくなりました。 難聴疑いとの連絡をもらったら必ず耳鼻科を受診してください。学校での聴力検査は選別のための検査ですので、医院で検査すると正常のことが多いのですが、中耳や内耳の病気が見つかることがあります。 耳垢は鼓膜が診えない場合に診断名が付きます。耳垢を除去して診たら、中耳炎があったというようなことがありますので、耳鼻科で取ってもらうのが良いでしょう。 色のついた鼻汁を伴うような副鼻腔炎の子供は少なくなりましたが、アレルギー性鼻炎の児童は増えています。小学校では3割くらいの子供たちに診られます。学業や運動に支障があると思われる場合にのみ診断名が付きます。ハウスダスト・ダニのアレルギーは慢性的に経過します。中学生では鼻づまり症状の著しい者がいますが、部活動等で通院治療が困難であるのが現状です。しかし、鼻づまりはスポーツ等の作業能率を障害しますし、睡眠時無呼吸症の原因ともなります。治療の継続を勧めます。 健診は水泳の可否を判断するものではありません。しかし水泳によって病状が悪くなったり、治療に支障をきたすことがありますから、主治医と相談するようにしてください。幼児期、学童期の子供達は全員、中耳炎、鼻炎を経験するといっても過言ではありません。健診を耳鼻咽喉科受診のきっかけにされてはどうでしょうか。 (八木 拓)
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