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予防接種について

   予防接種というと、子どもに限っての話のような印象があるかもしれませんが、そのような事はありません。大人にも関係する予防接種の代表例がインフルエンザウイルスワクチンです。また、テレビのコマーシャル等でご存知かもしれませんが、平成26年10月からは、高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種が開始されました。

   そもそも、予防接種のワクチンはなぜ存在しているのでしょうか。大きくわけて2つの意味があります。1つは、感染症から自分を守ることです。もう1つは、感染症を周りの人にうつさずに拡大を防ぐことです。すべての感染症に対してワクチンがあるわけではありませんので、感染症を予防する最も重要な方法は、うがいや手洗い、マスクの着用などです。しかし、ワクチンが作られている感染症に対しては、予防接種を受けると、その病気にならないように抵抗する力である免疫というものを体につけることができます。ワクチンで免疫をつけることにより、病気にかかることを防ぐ、あるいは病気にかかったとしても症状が軽くなる可能性があります。特に免疫が未発達な乳幼児では、感染症にかかった場合、深刻な合併症により後遺症を起こすことがありますので、予防接種で予防可能な病気は、ワクチンで防ごうといわれています。

   高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンに関しては、高齢者の方々の免疫が弱まった時などに肺炎球菌が原因で気管支炎や肺炎を起こし重症化するといわれていますので、ワクチンで防ぐために定期接種が開始された経緯があります。予防接種を受けることで、まずは自分自身が病気にならない、そして周囲の人にうつさないことが大事であると思われます。

   最後に予防接種は、定期接種と任意接種に分けられ、ワクチンによって対象年齢や接種回数に違いがありますので、其々の予防接種の詳しい事に関しては、医療機関でご相談ください。

(矢野   喜昭)