東温市医師会

結膜下出血

急に目が赤くなる病気のひとつに結膜下出血があります。結膜下出血は、白目部分の結膜やその下にある組織の細い血管が切れて出血することで起こります。針の先でついた程度の小さな斑状のものから、白目全体が真っ赤になってしまうものまで程度はさまざまです。絵の具で塗ったように、べたっと赤くなるのが特徴です。原因はいろいろですが、思い当たる誘因がなく生じたものが圧倒的に多いようです。

自覚症状はほとんどなく、あったとしても目がゴロゴロする、一瞬痛みがあったなどです。そのため洗顔時に鏡を見て気付いたり、家族や友人に目が赤いことを指摘されて初めて気付く方が多いようです。自覚症状が乏しい割に白目が真っ赤に染まっており、見た目がとっても派手なので、びっくりして夜中に救急病院を受診される方もおられます。

ただし、出血は眼球の中まで入ることはないので、視力低下を起こすことはありません。出血は、1〜2週程度で自然に吸収されることがほとんどです。出血が多いと数ヶ月かかることもまれにあります。いずれにしても自然に吸収されるので、ほとんどは心配はいりません。

ただし結膜下出血すべてが安心というわけではありません。以下のような場合には注意が必要ですので眼科を受診して下さい。

  1. ケガで出血したとき 出血の下に目の中に立ち込むような傷(穿孔性眼外傷)や眼球内部の損傷が潜んでいることもあります。このときは視力に影響することが多く、すぐに治療が必要です。
  2. 結膜炎に伴って出血したとき はやりめ(流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎)の可能性があります。めやに、涙や痛みを大抵伴います。他の人に感染する可能性が高く、問題となることがあります。
  3. 繰り返しておこるとき 動脈硬化、高血圧症、糖尿病、出血性素因(血小板減少、貧血、白血病、血管異常、血液を固まりにくくするお薬が効きすぎなど)など全身疾患と関連することもありますので。
(石川明邦)