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小児科医の知らなかったむし歯の話

私は小児科医として東温市の母子保健についての委員をしていますが、その会合でむし歯のことについて歯科の先生から聞いてきたお話です。むし歯や歯周病の原因は細菌感染症だとのことです。つまりむし歯菌が口の中に住み着いて増殖をするのでむし歯が起こる。生まれた赤ちゃんの口の中にはむし歯菌はいないのに、歯が生えてからむし歯ができるようになるのは、むし歯菌がどこからか入ってくるからだそうです。

その多くの原因は家族の誰かがむし歯菌を持っていて、そのむし歯菌が家族が使ったスプーンや箸を介して赤ちゃんの口の中に移って住み着いてしまうからだとのことです。子どもがむし歯にならないようにするには家族が使ったスプーンや箸で子どもさんに食事を与えないことが一番大事だとのことでした。

むし歯を予防するために食後の歯磨きが奨励されていますが、同じように歯磨きをしていてもむし歯になりやすい人となりにくい人がいるそうです。それはむし歯菌に対する抵抗力があるかどうかの違いだとのことでした。もしむし歯になりやすいならば歯磨きだけでなくキシリトールやフッ素などでの予防を考えた方がいいとのことでした。

現在東温市内の全小学校ではフッ素洗口や歯磨きを行ってむし歯予防の対策がなされています。中学校でも給食後の歯磨きをすることなどで子どもさんのむし歯がずいぶん減ってきているそうですが、東温市の公費助成で行った妊婦さんの歯科検診での結果では63%の妊婦さんにむし歯が見つかり、むし歯の本数がとても多い人もいるとのことでした。

妊婦さんの歯の病気は生まれてくる子どもさんに低出生児や早産などの影響が出ることが有るとも言われております。また歯周病などは糖尿病や心臓の病気に何らかの関係が有るとも言われております。

中学生までは良い習慣でむし歯予防ができていたのに、高校から大人になるにつれむし歯が増えているようです。かかりつけの歯科医と相談されてご本人や子どもさんの歯の健康を保つようにすることが大切だとのことです。

(石川純一)