東温市医師会

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私の腰痛予防法

私は「腰椎分離すべり症」です。腰の骨にひびが入りそこで腰の骨がずれています。若い頃、腰がだるく痛いことがあったので、レントゲンを撮って初めて分かりました。

まず、腰は「月(にくづき)」に「要(かなめ)」と書きます。身体の中で重要であるということです。腰つまり腰椎は脳から続く脊髄を守り、上半身を支えてよく動くところです。人間は二本足で立って暮らすため腰から上の重み(体重の約5分の3)が垂直にかかります。人間の腰には痛みが生じやすい訳です。また、背骨はゆるやかにカーブしています。頸椎は軽く後ろに反ったカーブ(前弯)、胸椎は逆のカーブ(後弯)、そして腰椎は頸椎と同じように前弯しています。このカーブが体の重みを支えるのに適したカーブです。従って「姿勢を良く!」というのは非常に大事なことなのです。

私の腰痛予防法として心がけていることを紹介します。腰痛をよく起こす人は姿勢が悪く、背中が丸くなっています。姿勢をよくするためには骨盤を前に傾かせることが重要です。そのために太ももの後ろの筋肉をしっかりストレッチする。そうすると胸が張り肩甲骨の動きもよくなり肩の痛みや肩こりも取れます。また、膝がO脚になっている場合も骨盤を前傾させることで少し是正されます。立った時に足の前方に体重をかけるようにすると骨盤の前傾(腰椎前弯)が取れやすくなります。後ろ向きに歩いてみることもお薦めです。自然と良い姿勢になります。普段からこの骨盤の前傾を保った姿勢で動くようにすると、腰痛の予防となり痛みも楽になります。

朝起きて顔を洗う時などに、案外腰痛をきたすことがあります。要は本格的に動く前にもぞもぞと動かしておくと防ぐことができます。関節や筋肉などがこわばっていますのでこれをほぐしておくといいでしょう。一般的なストレッチ・体幹の筋力強化(特にインナーマッスル)は当然必要なことです。軸足を変えてみるなど色々ありますが、今回はこの辺で。

(西本  章)