東温市医師会

秋の花粉症

花粉症と言えば春のスギ花粉症をイメージされる方が多いのではないでしょうか。鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が特徴です。飛散する花粉の数は年ごとに異なるため症状の程度に違いはあるものの、毎年の恒例行事のようになっています。実はあまり知られていませんが、秋にも花粉症があるのです。春はスギとヒノキが代表ですが、秋はキク、ヨモギが主な花粉症の原因となっています。「キク?」といえば花壇のきれいな花をイメージしますが、実は田んぼのあぜ道や野原に白い花を咲かせ、花の大きさが1cmにも満たない一見して菊には見えない雑草です。「大荒地野菊(おおあれちのぎく)」といって、名前のごとく荒れ地や道端に生えています。私の診療所の周りにも夏から秋にかけてみられます。大正時代に日本に帰化した外来種の二年草で1m程度の高さになります。ヨモギはキク科の植物で、夏から秋にかけて花粉を飛散させます。東温市のいたるところに生えています。

キクとヨモギ以外にも10月末頃から11月末にかけてはスギの花粉が飛散します。「秋にスギ花粉?」と思われるでしょうが、スギは7月頃から11月頃にかけて花粉を作ります。作られる花粉の量は特に7月中の天候に最も関係していて、晴れた天気が続いて気温が高いと多く作られるのです。その出来立ての花粉の一部が11月頃に少し漏れて飛ぶのです。スギ花粉に敏感な方はこれでも軽い症状がでることがあります。スギは12月頃になると寒さのため一旦花粉を飛ばすことをやめて冬ごもりをするのです。そして2月になると目覚めて花粉を本格的に飛ばすようになります。秋になって風邪でもないのにくしゃみや鼻水がつづくようになったら秋の花粉症かもしれませんね。

(佐藤  英光)