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片頭痛 たかが頭痛されど頭痛

  頭痛は日常生活の中でよく見られる症状です。片頭痛もそのひとつですが、頭痛がない時はなんともないため、他の人から見るとたかが頭痛と軽く見られがちです。しかし、実際に片頭痛で悩んでいる方はひどい頭痛の時は動くこともできず、多くの方が大変困っているのが実情です。

 片頭痛の頻度はわが国では人口の6〜8%であり、これは高血圧の方や糖尿病の方よりも多い数字です。女性に多く、若い頃に発症します。普段はなんともないのですが、ひとたび頭痛が起こると、激しい脈を打つような拍動性の頭痛が起こります。ひどいときは吐き気を伴い、嘔吐することもあります。そのような時は暗く静かな部屋でじっと寝ていないとおさまりません。

 一般に、脈を打つような繰り返す頭痛で、吐き気を伴うこともあり、おおむね一日以内でおさまるときは片頭痛を強く疑っていいでしょう。約半数の方が頭痛の起こる前に今から頭痛が起こりそうだという前兆があります。前兆には不快な感じ、あくびの頻発、落ち着かない感じの他、人によっては目の前を光がちらつくような感じがする場合があります。

 頭痛を起こす引き金は個人により異なりますが、生理の前後、ストレスや疲労、不眠、騒音、チョコレートやチーズなどの食べ物があります。

 最近の研究により頭痛の起こるメカニズムが少しずつ解明され、脳や顔面へ行く血管がセロトニンという物質の関与により一時的に広がるためだとわかってきました。以前は片頭痛もその他の頭痛と同様に鎮痛剤は使用されてきましたが、最近ではメカニズムの解明に伴い、新しい片頭痛の特効薬ともいうべき薬(トリプタン)が開発され医療機関で処方を受ける事ができます。

 頭痛を起こす病気の中には、くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜脳炎など命に関わるような恐ろしいものもあります。たかが頭痛されど頭痛です。現在では確かな診断の元、適切な薬を服用することにより生活の質をあげることができます。