ある日突然に片方の耳の聴こえが悪くなったり、耳の塞がり感、耳鳴、このような経験のある方は少なくないのではと思います。聴力検査が行われれば難聴が見つかるかも知れません。突発性難聴は字の如く突然に発症する難聴ですが、自然治癒があり、いつの間にか症状が消失し、受診しない方も多いと思われます。
聴力検査では、難聴が低音域に限っているもの、高音域に限っているのも、全音域に認められるものといろいろです。一般的には、低音障害型は耳の塞がり感、低い音の耳鳴として自覚することが多く、回復が良いようです。反対に高音障害型は難聴と高い音の耳鳴を自覚し、増悪したり、治りの悪い傾向があります。
発症から早期に治療を始めると治りが良いようです。早く聴力検査を受けてください。確立された治療法はありませんが、ステロイド剤による治療が一般的です。治りが悪いと予想される場合には入院して治療します。聴力検査を繰り返しながら経過を診てゆくことが必要です。
原因はまだよく解っていません。内耳の神経に栄養や酸素を送る血管の循環障害説が有力です。循環障害の原因となるストレスと突発性難聴の関係を考えてみました。
ストレスをうけると血管は収縮して、血液の流れが悪くなります。内耳へ行く血管は虚血状態になりやすいことが解ってきました。このことは突発性難聴とストレスの関係を示唆しています。
ストレスは精神的には不安、心配事、家庭内や仕事場での人間関係の葛藤の中から生じます。身体的には残業や出張など、長時間緊張状態を強いられることからくる疲れとして現れます。病人の介護などはこの両方が複合していて、強いストレスとなります。
旅行など楽しいことであっても、日常とは違うリズムで過ごすことはストレスになります。仕事や忘年会などで忙しい年末はストレス状態の期間です。摂生してお過ごしください。