お子さん(幼稚園〜小学生ぐらいの子)が時々ひざ周囲の痛みを訴えて病院を受診されたことはあるでしょうか。
ひざのレントゲンをとり特に所見がなく様子をみましょうと言われ安心して帰られたことはあるでしょうか。
子どものひざの痛みで病院を受診され、何もひざに所見がなく、レントゲンでも異常がない場合、成長痛とか、軽い炎症を起こしていると言われる場合があると思います。しかし治療に必要な疾患が隠されている場合がありますので、 長引くようなら一度は整形外科を受診することをお勧めします。
まず「成長痛」とはどんなものと言うことですが、これは小児の夕方から夜間におこる原因不明の下肢の痛みに対して用いられることが多いようです。症伏の特徴としましては、日中元気に遊んでいるお子さんが夕方から夜になると下肢(ひざが多い)の痛みを訴え時には大声で泣いたりします。症状は30分〜1時間程度で収まり翌日の朝はケロッとしています。原因としては骨端線(骨が成長するところ)への負荷、骨の成長に周囲の筋肉や靭帯の伸びが遅れるため、自律神経性、疲労性、精神的なものなどさまざまな意見があります。いずれにせよ自然治癒しますので経過観察で十分です。
小児整形外科で注意しなければならない病気としてはペルテス病、大腿骨頭すべり症などがあります。いずれも股関節の病気ですが、よくひざや大腿の痛みを訴えます。ペルテス病は脚の付根の大腿骨頭が血流障害を起こして発症します。4〜7歳の男の子に多い病気です。大腿骨頭すべり症は大腿骨頭の骨端線で骨がずれ発症し、11〜13歳のポッチャリタイプの男の子に多い病気です。いずれにしてもお子さんが持続する、長引くひざの痛みを訴えていたら整形外科の受診をお勧めします。