東温市医師会

ダイエット

 この一年、バナナダイエットがブームになっていますが、本当にバナナを食べただけで痩せると思われますか。また痩せるならどんな痩せ方をしても良いと思われますか。身体に良い痩せ方とはどんな方法なのか考えてみましょう。ます、第一は身体を壊すようなダイエットはしないことです。

 一つの食品を食べ続けることでダイエットする方法を単品ダイエットといいますが、これまでも、ゆで卵、リンゴ、ココア、寒天、ナタデココなどの食品でのダイエット法がブームになりました。これらの仕組みは非常に単純で、単品と水だけで、一日の総摂取熱量を減らしただけのものです。つまり、カロリーが低い食品であればキウイフルーツでもとろろ昆布でも良いのです。しかし、どんな単品でもそれだけではバランスの良い栄養を取ることは不可能です。かえってダイエットの弊害が心配されます。現在、日本で増加している低体重児はダイエットしている母親に多いのです。またダイエットをした女性は閉経以後に骨粗鬆症となる率が高いのです。結局ダイエットの考え方は『しっかり栄養バランスのよい三食を摂って、全体のカロリー量を減らすこと。』以外にはないのです。

 「健康のために減量したい。」と思う人は、まず自分がどの位太っているのか調べてみましょう。まず身長と体重から自分のBMI(体格指数)を割り出します。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

 BMIが18.5以下はやせで18〜25が普通で25以上が肥満となります。(22が標準的な体格指数です。例えば身長155cmの人の標準体重は1.55×1.55×22=53kgとなります。)よって、BMI25以下の人はダイエットをする必要がないのです。

 ダイエットは、実践するのは難しいものです。そのような場合には、ダイエット用や糖尿病用の宅配治療食を利用したり、「糖尿病食事療法のための食品交換表」という本を参考にして1日1200kcalを取るようにすれば良いと思います。糖尿病食でダイエットをするのが一番無理なく安全に行えるのです。また、より簡単な方法としては1日30品目の食事をすることです。言い替えれば、1日3食規則を守り、間食や夜食は控えることです。緑黄色野菜を多く取り、アイスクリームのような動物性脂肪は控えましょう。また腹8分目とし、早食いにならないよう1口30回以上噛んで食べましょう。

 ダイエットは急激に減量するのではなく、一日40〜50gずつ、ゆっくり減らすことがポイントです。1〜2か月に1kgの減量で良いのです。ダイエットの必要な方は、あせらずゆっくりと実践してみて下さい。

(辻井 武廣)