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暑い時期、熱中症に注意!

 だんだんと気温が上がってくる季節、野外または屋内でも気温や湿度の高い場所でスポーツや仕事を行うときには熱中症という病気に注意を払う必要があります。以前は日射病、熱射病と言われていましたが、最近では熱中症と統一されるようになってきました。6月から8月ころに多く発症しますが冬の時期にも起こることもあります。体力のない子供さんや御年配のかたに発症しやすい病気です。日本体育協会が「熱中症予防の原則」として下記の8ヶ条を発表していますのでこれに基づき少しお話ししたいと思います。

『熱中症予防8ヶ条』

  • 1.「知って防ごう熱中症」
    軽度、中等度、重度に分類されます。熱中症を疑う症状は、高い体温、赤く熱く乾いた皮膚(汗をかいていない状態)、頭痛、めまい、はきけ、意識がもうろうとするなどが挙げられます。
  • 2.「暑いとき、無理な運動は事故のもと」
    午前10時から午後4時の間に多く発生しています。
  • 3.「急な暑さは要注意」
    暑さに慣れるための準備期間(およそ4日間)が必要です。スポーツの夏合宿初日や休み明けの運動には注意が必要です。
  • 4. 「失った水と塩分を取り戻そう」
    気温の高いときには15から30分毎の水分補給が推奨されています。
  • 5.「体重で知ろう健康と汗の量」
    体重の2から3%以上の脱水時には塩分の補給が必要です。スポーツの前後で自分の体重変化(≒発汗量)を知ることも大切です。
  • 6.「薄着ルックでさわやかに」
    帽子をかぶる、放温性の高い服を着るなどのくふうを。日焼け対策も忘れずに。
  • 7.「体調不良は事故のもと」
    体温、脈拍測定などが体調把握に有用です。調子のよくないときは無理しないことです。
  • 8.「あわてるな、されど急ごう救急処置」
    涼しい場所に移し体を冷やすことが必要です。意識障害など状態がよくない場合は病院への受診をためらってはいけません。特にスポーツ指導者の方は熱中症に関する知識が必要です。病院に連れて行くことや救急車を手配することも常に頭に置いておく必要があります。

 楽しく安全なスポーツや仕事ができるように皆さんで気をつけていきましょう。

(増田 義久)