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動悸を感じたら

 胸が脈を打つように、心臓の鼓動を感じることを『動悸』と呼びます。緊張したり、興奮したり、運動をしたりすると正常人でも動悸を感じることがあり、これは病気ではありません。しかし、動悸をきたす病気は数多くあり、大きく分けて心臓が原因の場合と、それ以外の場合があります。心臓が原因の場合には、不整脈・心臓弁膜症・先天性心疾患・虚血性心疾患・心筋症などがあり、特に不整脈による動悸は、その不整脈の種類の診断が不可欠です。心臓以外の動悸では、発熱・貧血・甲状腺機能亢進症・肺疾患・精神疾患などがあります。

 動悸の診断には、@安静?時に感じるのか、それとも労作時に感じるのか、A突然感じ始めるのか、徐々に感じ始めるのか、B動悸が治まるのは突然か、徐々に治まるのか、Cドキドキするのか、それともドクンと感じるのか、など詳しくお話をお聞きすることが必要です。そして、疑われる病気に応じて、胸部X線写真・心電図・心臓超音波検査・24時間の心電図検査(ホルター心電図)・血液検査などを行い、診断します。特に不整脈による動悸の場合は、その動悸を感じた瞬間の心電図が取れない場合も多く、不整脈に熟知した医者が、丁寧にお話を聞くことによってしか診断がつかないことがあります。また、ホルター心電図を検査して、そこで見つかった異常が、必ずしも動悸の原因ではないことがあります。この為、不整脈の診断には熟練を要し、中には危険な病気もありますので、動悸を感じることがあるときには、決して放置することなく、循環器内科を受診してください。勿論、運動不足などでも動悸を感じることがありますので、受診されるまでは、必要以上に心配されないようにしてください。

(小林 卓正)